先日コメントにてNDSハード売上が落ちてる件についてご指摘頂きました。実は私も何度もこの件について書こうとしましたが、数字を色々いじくってても結局結論が出ない状態で書きかけた記事を削除すること数回。今回背中を押されましたので少し煮詰まってませんけど私の現在の意見を書いてみたいと思います。
さて、このサイトの右側にある「NDSソフト売上記録」というのをクリックしてもらうと、NDSとPSPのハード販売台数を見ることができます。このデータはファミ通がネット上で公開しているデータを勝手に累計しているものですが(ファミ通さんゴメンなさい)、今回はこのデータを元に考察します(最新のデータを更新してないですね。すいません。今日中には更新します)。 さて、グラフを見てもらえれば判ると思いますが、1月後半に入ってからNDSの売れ行きが非常に悪い状態が続いています。週間データを見ると、大体PSPがNDSの1.4~1.7倍ずつ売れている感じ。ただ、大きな目で見てみると2月累計でPSPがNDSを7万台ほど挽回したに過ぎないとも言え、このデータをどう見るかで結論が大きく変わってしまいます。 NDSとPSPは共に信者の方?が売れない理由を大よそ下記のように解説してくれてるのではないかと思います(PSPについては12月末時点での声)。 ●NDS:「今はソフトが出てないだけ。nintendogsが出て新色NDSが 出ればバカ売れする」 ●PSP:「12月は供給が不足していただけ。今後供給体制が整えば バカ売れする」 どちらの意見も正しいように思いますが、それでも、 ●NDS:キタヨやアナザーが出ても販売台数に対するインパクトが 皆無だった ●PSP:供給が追いついた現状においても、月20万台程度しか 売れてない と、どちらの意見にも反論することが可能で決定的な要因では無い気がします。 私の意見は、概ね2つあります。 1.12月~1月前半までとそれ以降では購入層が違うから販売傾向が 違う。 2.両ハードで初期需要を仲良く分け合ってしまった。 「1」は12月~1月という特殊事情が働いたという理論です。12月~1月前半はクリスマス~お年玉シーズンで毎年任天堂関連商品が非常に強くなる時期です。何故強いかというと、任天堂商品は低年齢層に強く、そして低年齢層の収入源は親が握っているからです。親がクリスマスプレゼントに買い与える、もしくは、お年玉という収入源を得て低年齢層がこの時期の購買を決定付けるのです。この低年齢層にウケたのがNDSだということではないでしょうか。もちろんPSPの初期供給体制に問題があったことも事実だとは思いますが、決定的な要因にはなってないと考えています(理由は1月後半以降もそれほどPSPが売れていないことから)。 1月後半からは定常的にPSPがNDSの1.4~1.7倍程度の売上ですが、売れる台数自体が減っています。この時期は上記の低年齢層の購買が一段落し、定常的に収入のある世代(高校生以上)が購買層のメインになっていると考えられます。この世代にはPSPの方がウケがいいのでしょう。ただし携帯ゲーム機に対する購買意欲自体が低年齢層よりも低いので、売れる数もそれに従って減っているというワケです。このように2種類の購買層が時期をずらしながら購入したと考えると、現状までの売上台数推移は綺麗に説明することが可能です。 また「2」に関しては、NDS+PSPの販売台数とGBAの販売台数を比較することで考えることが可能です。12月~1月のNDS+PSP販売台数は合計225万台、2月は6.7~8.7万台/週程度の売れ行きです。それに対して2001年3月に発売されたGBAを見てみると、3月~4月で160万台程売っており、5月~6月は5.1~9.3万台/週で推移しています。 GBAの場合は6月後半以降に「タクティクスオウガ外伝」「遊戯王デュエルモンスター5EXPERT1」「マリオカートアドバンス」「黄金の太陽~開かれし封印~」と定期的にヒット作が出てその地位を揺ぎ無いものにしましたが、それでも10万台/週を超えることはほとんどありませんでした。つまりGBAの時は大よそ2ヶ月間で初期需要を満たし、後は5~10万台/週で安定期に入ったのです。今回もNDS+PSPで見ると2ヶ月で200万台以上を売り、その後は6~8万台/週の安定期に入ったという見方も出来ます。NDSとPSPという毛色の違ったゲーム機なので多少は市場自体が大きくなっているかとは思いますが、こう考えると携帯ゲーム機市場は既に初期需要を満たしてしまったことになります。 この場合、ひとつ問題があります。かつての据え置きゲーム機戦争(PS vs SS)の時、シェアが割れている間(1995年頃)はハードの売れ行きが悪くなったということがあります(残念ながら正確な販売台数は把握できていません)。当時CM合戦をやっていたにも関わらず、ゲーム機が売れない。理由はゲーム機という特殊事情にあります。ゲーム機は他社のものと同じゲームソフトが動かないので、シェアが割れた場合はユーザにとってデメリットが発生するのです(同じハードを友達が持っていないのでソフトの貸し借りが出来ない、ゲームの話が出来ない、など)。そこで一部のコアなユーザ以外は勝ち馬がハッキリするまで購入を見合わせることになります。そのためシェアが割れているとハードが売れないという状況になるのだと考えられますが、NDSとPSPがこの状態に入った可能性があります。こうなるとある程度勝ち負けが決まらない間はこのこう着状態が続くことになります。NDS側はnintendogs&新色ハード発売、PSP側は映像ソフト販売(&新色ハード発売??)で春商戦を迎えますが、シェアを圧倒できるかと言われるとどちらも少しインパクトに欠ける気がします。 3月以降ソフトが揃うNDSは今までよりは売上が伸びると思ってますが、当分の間PSPとの激しいシェア争いに巻き込まれるのではないかなぁ、というのが私の現状での意見です。 3/15追記: で、結局これからどうなるの?っていう点に関して私の予想では、低年齢層の購買意欲が増すGW、夏休み、クリスマス~お正月にはNDSの売上が増え、それ以外の時期はPSPが売れる、という傾向が続くものと思います。またソフトのヒット作やハードの新色販売などで売上が伸びることもあるとは思いますが、一時的なものにとどまるのではないかと思います(基本的に初期需要を満たしてしまっているため)。 今後焦点はいわゆる「ライトユーザ」の取り込みに移りますが、これまでの携帯ゲーム機と違い、今回は中学~社会人数年目ぐらいの若い女性層が比較的活発な反応を見せているように思います。私はこの層のシェア次第で今後の展開が大きく変わってくような気がしてるので、どうしてもnintendogsに期待してしまうワケです。
by nintendods
| 2005-03-14 17:11
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