久々にPSPについて毒を吐いてみる

ソニーの業績発表がありましたね(詳しい資料はこちらからどうぞ)。PSPは297万台(国内144万台、北米153万台)が"生産出荷"されたそうです。業績発表資料を読むと「PSPは順調」というような表現があり、各社ニュースでもそのように報道されていることが多いようですが、本当に順調でしょうか?残念ながら私は財務関連の資料を読むのはあまり得意ではありませんが、よ~く読むとPSPにからむ厳しい台所事情が見え隠れしているように感じます。

まずは、"生産出荷"という書き方と棚卸資産増加の関係について。"生産出荷"とは生産拠点から出荷された状態での集計だということですが、この場合、ひょっとすると「生産拠点からは出荷されているけどソニー社内からは出ていない(流通部門で止まってる)」なんてのもカウントされているんでしょうかね。さらに2004年12月末から2005年3月末の間にゲーム部門の棚卸資産が321億円分も増えているのが気になるところ。これって社外へ出荷できていないPSPを棚卸してるんじゃ?という疑惑が。
 321億円÷2.48万円(PSPバリューの税抜き単価)=129万台
まさか100万台規模で棚卸してるってことは無いでしょうね?

次に半導体部門の赤字について。半導体部門は2005年度にセグメント間取引(つまりソニーグループ内の取引)が大幅に増加しているにも関わらず1年間で342億円も営業利益が減少して赤字に転落。特に第4四半期だけで224億円の営業損失を出している点が、気になるところ。すべての赤字がPSP要因だと考えるとPSP1台につき約1万円分の赤字を半導体部門がかぶったことになるのでさすがにそれは考えにくいですが、かなりの赤字価格でPSP用半導体をゲーム部門に出荷しているのは間違いないでしょう。

さらにゲーム部門の営業利益が1年間で200億円以上も減っている点について。もちろんPS2の販売台数減少も影響していると思いますが、利益率が8.7%から5.9%に下がっており、明らかに収益構造が悪化しているのが分かります。今さらPS2の利益率を低下させてまで販売する意味は少なく、この利益率の低下の主要原因はPSP本体の利益率が非常に少ない(もしくは赤字販売である)ことにあるのでは無いでしょうか?

最後に、今年度のPSP販売台数予測について。ソニー自身が1,200万台と発表しました。つまり月産100万台。クタラギ氏の「今年末には月産300万台にまで引き上げる」という威勢のいい言葉とは裏腹に結局は月産100万台体制に落ち着いた模様です。北米販売がまだ立ち上がったところでありアジア地域と欧州での販売を控えている段階での月産100万台という数字は、携帯ゲーム機市場でPSPを寡占状態にまで持っていくという当初思い描いていた戦略を転換しNDSとの共存を模索する戦略に切り替えたと考えられます。今後ソニーにおけるPSPの位置付けがどのように変化していくのか注目です。

このようにざっと見ただけでもPSPがソニーの足を引っ張っているのではないかという疑惑が出てきます。販売価格と発売日をかなり無理したと感じてましたが、無理をしたワリには報われなかったような気がします。PSPは今後この状況から生還できるでしょうか? 少なくとも私は妙案を思いつきませんけどね。

以上、久々にPSPについて毒を吐いてみました。
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by nintendods | 2005-04-28 12:43 | STUDY
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