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NDS v.s. PSPで一年を振り返る(Part5)

やっと今回で最終回(の予定)。
最後に2004年12月~2005年12月までの「ハード販売台数」「ソフト販売本数」「タイレシオ」のグラフを掲載しておきましょう。なお、「4週補正」とあるのは、月によって4週の月と5週の月があるので、5週の月は4/5してあるという意味です。また、2004年12月のPSPは発売時期の関係から12月が3週しかありませんでしたので、同じく4/3してあります。ですから月間の棒グラフの値は本当の販売台数ではないことをあらかじめご了承下さいまし。
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まずはハード売上げから振り返ります。2004年の12月はNDSが約110万本、PSPが約35万本と、NDSが圧勝しました。ただ、この圧勝はNDSの良さが認められたというよりは、PSPの生産が追いつかない状態だったため、売りたくても売れなかったという状態でした。ここがまず最初のターニングポイントと言えるでしょう。最初のスタートダッシュに失敗したPSP。ただ、この失敗をもたらしたひとつの原因は他ならぬNDSの存在でした。PSPに合わせて価格・発売日を設定してきたNDSにSCEはかなり焦ったことでしょう。PSPは任天堂の挑発に見事に乗ってしまい、そして墓穴(無理な価格設定、無理な発売日設定、そして無理な生産による市場不良)を掘ってしまったように感じます。
ただ、PSPも1月中旬から3月までの間は順調に販売台数を上げその差を詰めていきました。このまま行けば最初の差を埋めることが出来るのではと思われましたが、
・3~4月:4色もの新色発売
・4~6月:ニンテンドッグス/脳を鍛える/あたま塾など
      Touch!Generationシリーズソフト発売
・7~8月:ホットサマーキャンペーンと新色発売
と、矢継ぎ早にてこ入れを行ったNDSが、逆に4月以降じわじわと差を広げる形になりました。9月以降になるとPSP陣営も新色発売、ウイイレ/脳トレ/モンハンなどの有力ソフト投入やギガパックの発売などのてこ入れで巻き返しを図りますが、NDSの勢いを止めることは出来ませんでした。ただ、負けハードが超えることが出来ない境界線と言われる300万台のラインを超えることは確実な情勢にまで持っていくことは出来たので、このまま消えていくワケではなくある程度の市場は形成できるでしょう。今後も当面はソフトも発売され続けるのではないかと思います。NDS陣営は11月から始めたWiFiコネクションの試みがユーザに受け入れられたことで、ローンチを超える売上げを2005年末に記録することが出来ました。私の周りでも11月頃から急にNDSの話題が増えるようになり、年始には「もっと脳を鍛える」のCMの話題(52歳かよ~)がそこら中で聞こえてくるといった状態でした。ここへきて完全に社会に認知される存在になったと言えるでしょう。

続いてソフト売上げですが、こちらはハード以上に圧倒的な差がついています。ハード売上げの項目でも書いたように、4月以降の任天堂戦略によってNDSとPSPの明暗がハッキリ現れているのが分かります。2005年12月のソフト販売本数はまさに異様な盛り上がりでした。NDSはハードの累計販売台数が増えたのに合わせてソフトの市場規模が確実に大きくなっています。一方のPSPは、1年前とソフトの市場規模がほとんど変わっていません。ハードの普及台数は約7倍に増えているのにソフトの市場規模が変化していない。これは何よりSCEにとって痛手ではないでしょうか。ハード価格はかなり抑えられているのであまり利益は出ず、またソフト販売本数が増えなければロイヤリティ収入も増えません。今後、SCEはPSPのソフト売るための戦略を練っていく必要があるでしょう。

最後のグラフはタイレシオです。こちらも一目瞭然ですが、PSPはこの1年間でほとんどタイレシオに変化がなく、1.7~1.9付近をウロウロしています。これは結局のところ、最初のころにハードを買ったユーザがそれ以降新しいソフトを買っていない or 新規でハードを買っていくユーザがほとんどソフトを買っていかない のどちらかと考えられます。いずれにしてもタイレシオが2を切っているままではゲーム業界のビジネスモデル(ハードを赤字覚悟で売ってソフトで回収)は機能しませんので何とかしないといけませんね。ちなみにC-NEWSが以前行ったネット調査?でPSPユーザのソフト所持本数は平均3本との結果が出たそうですが(記事はここ)、このグラフを見れば笑い過ぎてお腹が痛くなっちゃいますね。本当にそういう結果が出たのであれば、母数を増やすなり母数となる対象者の偏りを無くすなり対策を取らない限りは、何を調査しているのか分からないでしょう。
NDSはタイレシオも順調に伸びています。特に3月以降は月間タイレシオが3を超えることも多く、非常に好調と言えるでしょう。今後もユーザを飽きさせずに新しいソフトを買ってもらえれば、PS2をも超えるだけの存在になりえるのではないかと思います。

さて、長々と書いてきたNDS v.s. PSP記事もこれでおしまい。最後まで読んで頂いてありがとうございました。
by nintendods | 2006-02-08 00:02 | STUDY
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