Wii体験会に参加して、これでPS3とWiiの両方を目で見ることが出来ました。また色々と情報も飛び交っています。ここで再度PS3とWiiの2機種について年末までの状況について考えてみたいと思います。
【PS3の憂鬱】 ●「本体出荷数が足りない」 これはもっとも痛い。初週8万台とウワサされてますが、欧州発売を春まで延期してこれでは目も当てられない。北米の方がたくさん割り当てられていると考えても、発売日までに全部で20万台程度しか用意出来ないとは。これではまさにPSPの二の舞です。参考までにNDSとPSPの時の販売台数を比較してみましょう(ファミ通調べ)。 NDS:44.1万→18.1万→22.0万→25.3万(合計109.6万) PSP: 16.6万→ 8.1万→ 9.3万(合計 34.0万) NDSとPSPの時は供給能力に大きな差がつきました。今回のWiiとPS3も、NDSとPSPの時と同じ程度の供給能力になりそうな感じです。が、しかし今回PS3は北米でも発売するので、日本に回せる台数は半分かそれ以下。PSPの場合は毎週9~10万台程度の出荷があったと推測されますが、PS3が同じ程度の供給能力と仮定すると日本に流通するPS3は初週を除くと毎週5万台程度になってしまうことが予想されます。これだと年内に出回るPS3の数はせいぜい50万台。ヘタをすると40万台程度になってしまいます。Wiiは年内100万台というお話もあるそうですので、年内に倍の差をつけられてしまうことになります。 ●「ビジネスモデルの問題」 TGS2006にて大幅値下げを発表したPS3。値下げ前でも赤字確実と言われてましたので、さらに1.2万円ほど値下げしたことで、例えば年内に50万台売ったとするとそれだけで60億円の赤字拡大です。赤字が必ずしも悪い訳ではありませんが、以前NDSとPSPの時にも書きましたが(ここを見てね。PS3にもまったく同じことが言える内容です。)、赤字でゲーム機を売るビジネスモデルは「市場独占が前提」です。Wiiがかなりのユーザに受け入れられそうな現状では、この市場独占は夢のまた夢です。PSPに引き続き、SCEはかなり厳しい状況になったといえます。 ●「ブランドイメージの問題」 最近のバッテリー問題で、広く一般人のソニーというブランドイメージが低下しています。バッテリーの件では、ちょっとやりすぎだと思うぐらいマスコミがソニーをたたきました。ソニーはその高いブランドイメージが大きな武器だったので、これはPS3に限ったことではなく痛い問題です。PS3もコアユーザと呼ばれる100~150万人の人達にはすぐに売れるでしょうけど、その後ライトユーザに売っていくのは苦労するでしょう。いまや「ソニーだから」と言って商品を買う人は非常に少なくなっていると思われます。 【Wiiの不安】 ●「グラフィックス」 グラフィックスがゲームの全てでないことをNDSは証明しました。しかしそれは携帯ゲーム機という、もともとグラフィックスが全てでは無いカテゴリの商品だったからこそユーザの関心が高くなかったという事情もあったかと思います。WiiとPS3を比べると、現時点でも圧倒的にPS3の方がグラフィックスが良いのは純然たる事実です。さらに、開発が難しいとされるPS3ですから、2~3年経つともっと綺麗なグラフィックスのソフトが出てくるでしょう。この頃には今よりもっと差が開いていると思われます。もし2年経ってもWiiとPS3が「いい勝負」をしていた場合、PS3が抜け出す可能性があります。ま、しかし2年もいい勝負をしていたら、ソニーの会社自体が苦しいことになってるかも知れませんが。 ●「ゼルダの功罪」 体験会に参加して改めて思ったのは、「ゼルダはすばらしい」。そして、「ゼルダが売れすぎて他のソフトが売れないんじゃないか」ということ。ちょっと気になったのでこれまでの据え置きゲーム機の主なローンチタイトルを調べてみました。 SFC:「スーパーマリオワールド」「F-ZERO」 SS:「バーチャファイター」 PS:「リッジレーサー」(ちょっと遅れて「闘神伝」) N64:「スーパーマリオ64」「パイロットウィングス64」 DC:「バーチャファイター3tb」 PS2:「リッジレーサーⅤ」(ちょっと遅れて「DEAD OR ALIVE2」) GC:「ウェーブレース ブルーストーム」「ルイージマンション」 XBOX:「鬼武者」「プロジェクトゴッサム」「DEAD OR ALIVE3」 XBOX360:「リッジレーサー6」(ちょっと遅れて「真・三國無双4」 こんな感じ。気が付いたでしょうか。ローンチでいきなりキラーRPGを持ってきたハードが無いことを。普通、開発に時間のかかるRPG(しかも大作)をローンチで出せる訳が無いので、大体ハード発売初期はアクション系やパズル系のゲームが多くなるのですが、WiiはGCとかなり近いハードということでGCで開発されていたゼルダをローンチとして持ってくることが出来ました。 これはハードの牽引役として多いに役立つ一方、時間を取られる大作RPGを持ってきたことで、ゼルダ以外のソフトが売れなくなる危険をはらんでいます。いや、実際体験会でのゼルダ人気を見れば、ソフトの売れ方はゼルダが年末までの全ソフト売上の半分を占めるんじゃないかと思うぐらいの勢いです。特に3rd Partyは苦しいでしょう。これが災いして、3rd PartyがPS3やXBOX360に逃げていく、というストーリーもありえない話ではありません。超強力なローンチを持ってきたが故の不安を体験会を見ていて少し感じました。
by nintendods
| 2006-11-05 02:02
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