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ゲームとライトユーザ(前編)

ここ最近、DSのソフトが売れていません。いや、他のプラットフォームに比べれば母数が大きい分もありそこそこの本数は売れているので、正確に言うなら「販売元、流通、ショップの方々の期待ほど売れていない」でしょうか。
原因は判っています。現在のゲームユーザ、特にDSを支えているライトユーザはそもそもゲームに深い思い入れが無いので、面白くなければ直ぐに他の娯楽へ移っていきます。パイが広がったと思ったら間違いで、彼ら・彼女らはブームが去ったらハイさようなら、ですし、意外とゲームに対する財布の口は固いのです(ゲーム以外の娯楽にもお金を使うから相対的にゲームに投資する金額にシビアになるんでしょう)。

では、何故ゲームが面白くなくなったのか。真因は一つだと思いますがまずは現象から洗い出してみると、以下のような感じかと思います。
1.久々にゲームをやってみたが意外と面白くなかった(すぐに飽きた)
2.似たようなゲームが多過ぎで何を買っていいか分からない
3.ブームになるような大型のゲームソフトが無い

「1」の場合は、周りが騒いでいるのでとりあえずゲームソフトを買ってみたけれど、思っていたほど面白くなかった、もしくは最初は面白かったけどすぐに飽きてしまったという方。こういう体験をしてしまうと、またゲームソフトを買おうという意欲が無くなってしまうのが辛いところ。この場合のひとつの問題点はブームに乗ってソフトを買ってしまうので、本当に自分に合ったソフトを買えていない可能性があること。なんとなくブームだからと「Newスーパーマリオ」を買って難易度の高さにすぐに投げ出してしまった人なんかがこれに当たります。

「2」の場合は、次のゲームを買う意欲はあるけれど、どれを買っていいのか分からないという方。原因は似たようなゲームソフトを乱発するゲーム業界にあります。今までも一度ブームになると次から次へと似たようなゲームが出てくるということがありました。シューティングゲームしかり、格闘ゲームしかり、RPGしかり、そして今は知育ゲームの乱発。そうやって新しいゲームジャンルはすぐに乱発ソフトで埋まってしまう。中には光るソフトもあるんでしょうが、多くのソフトに埋もれて発掘されることなく沈んでいきます。また、自分に合ったソフトがどれなのかを取捨選択することも出来ない。この辺りの問題はゲーム業界が何がしかの対策を考える必要があるんじゃなかろうかと思います。

「3」の場合は、今年で言うと恐らくDQ9まで待たねばならないでしょう。低年齢層向けには「ポケモン」「ラブ&ベリー」「DQMジョーカー」が昨年末に出ましたが、大人向けソフトは昨年の夏以降物足りない状況になってます。「nintendogs」「脳トレ」「おい森」に続く大人のライトユーザ向けソフトが出ないと、せっかくカバンに入れて持ち歩いていたDSを引き出しに封印されてしまう事態になりかねません。

3つのそれぞれについて書いてきましたが、真因はひとつです。あまり言葉は良くありませんがライトユーザは「情報弱者」なのです。ライトユーザは自分に合ったゲームかどうかを自ら積極的に調べるということはしません。購入するかどうかは、「CMを見て面白そうだったから」「TVで取り上げられていて面白そうだったから」「友達が話題にしていたから」「周りがみんな買っているから」といった点が決め手になります。そもそもライトユーザはゲームに深い関心が無いからライトユーザなのであって、「情報弱者」なのは当たり前と言えば当たり前のことなんですけど、ゲームの場合はその価格の高さの割に情報を得る手がかりが少ないような気がします。音楽ならCDショップで視聴出来るしアーティスト名を頼りに購入することも出来ます。本も本屋で立ち読み出来るし、作者の名前だけで安心して買える本もあるでしょう。映画も監督や出演者で選別可能です。しかしゲームは「試す」のも難しいし、「名前」で買うのも難しい。「試す」は無料配信のシステムが出来て多少マシになりましたけど、それでも配信されるソフトはごく少数だけなので本当に自分に合ったソフトを見つけるというのは難しいままですし、「名前」の方は作者なんかは表に出てこないので結局「ゲームソフト名」で選ぶしか無いので、続編ばかりが売れるという今の状況になっちゃってるワケですね。5千円、6千円といった値段は「失敗したら諦めるか」というには少々高すぎるお値段ですしね。

そんなワケで、ライトユーザの流入によって潤ったゲーム業界は再び縮小化の道へと一歩足を踏み入れてしまったような気がします。確かにDS LiteやWiiといった任天堂ハードは売れてますが、PS3、XBOX360、PSPはそれほど売れてませんし、まだ初期段階の兆候ではありますがソフトも伸び悩んできているように思います。このまま放っておけば2~3年後は再びライトユーザの居ないゲーム業界に逆戻りでしょう。
こういった状況をどうすれば打破出来るのか。後編で考えていきたいと思います(と言い切りましたがまだ何を書こうか迷ってます。いい答えが無いかも知れません(汗))。
by nintendods | 2007-05-06 17:06 | STUDY
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